◆◆◆ 第3ステージ ◆◆◆
Orodora - Sikasso 121q


今日は8時半スタートなのに5時起きで、いつもより30分早い。
朝食は競技場まで行き、いつもと同じ朝食を食べた後、スタート地点まで73キロ移動。レース前移動はそれだけ朝早く起きないといけないので、嫌すぎる。初日から熱射病で調子を崩してた辻ちゃんが、昨日の夜何回か吐いて、全然寝られなかったらしい。そしてエシケンさんも夜から下痢が止まらなかったらしい。・・・2人とも今日大丈夫なのだろか?心配だ。
そして今日はMali(マリ)という国に入り、Sikasso(シカッソ)という町を3周回してゴール。

今日も序盤から他チームの攻撃が始まった。

序盤に4人のブルキナ人がエスケープ。
しばらくして再び4名の選手が集団から抜け出し、前を追いかけ始めた。逃げは決まらないと踏んで、集団は誰も動かない。
そして後追いの4人が前の4人に追いつくと、集団とのタイム差が広がり始めた。

今度はアフリカ人7人でエスケープしたので、とりあえずこの逃げに入ることにした。1人のアフリカ選手がひたすら引き続けている。そして交代の合図を出しても誰も先頭に出ようとはしない。・・・なんなんだこいつらは?ローテーションという言葉を知らんのか?そんなんでペースも落ちて、また掛け合いが始まった。
掛け合いだとペースが上がったり落ちたり激しいので、すぐに集団にのまれた。こいつらアホすぎる。ていうか、アフリカ人だけの逃げにはもう乗らん。
この後僕とエシケンさんで逃げを潰してたら、ピエールが「タイム差が開いたら他のチームも動く筈だから、しばらく様子みよう」と言いにきた。なんてありがたいお言葉。集団の真ん中に待機した。
しかし8人が逃げているのに集団のペースはあがらない。エシケンさんが来て「全開で集団を引いてくれ。次はオレが行くから」と指令を受けた。確かにこれ以上差がつくとマイヨジョーヌを奪われる可能性もあるので、集団を活性化するには動くしかない。
一呼吸おいて先頭に出て、全開で踏んだ。後ろを見ると集団が1列になっているので、このペースを維持することに努めた。そして力尽き、スピードが落ちた。その瞬間アタックがかかり始めた。一応集団は活性化したけど、く、苦しい・・・。そしてまた誰も引く奴がいなくて集団のペースが落ちた時、今度はエシケンさんが引き始めた。
脚はまだあまり回復してないけど、次にもう1回行くことにした。
果てに見える上りの頂上まで、と自分にノルマを課して集団を引っ張った。しかし上りの中腹でアタックがかかり始め撃沈。
脚を回復させているうちに、前をよ〜く見たら熊さんとアレックスとピエールが引いているじゃないか!
あわてて前に上がってローテーションに加わった。
加わったけど、だんだん前に出れなくなっていって、仕舞いにはローテーションに加われなくなった・・・。
このまま居てもただの足手まといなので、ちょっと回復させたらまた加わることにして、集団に下がった。
少ししてエシケンさんが上がってきて、ローテーションに加わった。うちのチームが引いてることに気づかなかったようだ。そして辻ちゃんも来たので、僕も辻ちゃんと一緒に再びローテーションに加わった。
前とは3分開いてしまっている。もう全開で回るしかない!!
キツイ!!猛烈に苦しい!!エシケンさんに、100キロまでがんばろう!と励まされながら回った。10qで1分縮まり、そして残り25qで1分50秒差まで詰めた。後30秒縮めればマイヨジョーヌは守れる!!
けれど限界が近づいてきいる。みんなもだんだん限界にきているようで、もうタイムも縮まらなくなった。
ローテーションも綺麗に回らなくなった。

そしてシカッソに入り、残りは8km×3周。
熊さんが先頭で街のコーナーを曲がったら、後ろに居た僕は、立ち上がりでもう後ろに付くことは出来ず千切れた。
すみません・・・後は頼みました〜と思ったら、他のみんなもバテバテで、もう誰もローテーションなんか出来なくなり、ここぞとばかりがんがんアタックがかかった。
集団の尻でヒラヒラしながらなんとか粘ったけど、辻ちゃんとエシケンさんは千切れてしまった。けれど僕ももう風前の灯。
もうアタックには誰も反応できない。

ソフィテックスの選手で、1人だけピンクのレーパンを履いてる奴がいるのだけど、いつも予測不可能な動きをしてきてかなり危ない。
そしてまた訳の分からん走りをして、熊さんがキレた。ピンクパンサーもこれでしばらくは大人しく走るだろう。

3周目に入り、賞金が出る25位以内を巡ってのポジション争いが始まった。この集団の10番手以内でゴールすれば25位以内に入れるのだろうけど、もう脚がスカスカで、今のこの5番手のポジションを維持するだけで限界だ。
何気にいい位置にいるので、スプリントもがんばることにしたけど、サドルから腰を上げたら、やっぱり脚に力が入らなかった。
僕のスプリントは線香花火の最後の火花程度で、20人くらいにズバズバ抜かれていき撃沈。
みんなもローテーションしていたので、今日は全員撃沈。結局2分7秒差でゴールし、マイヨジョーヌも奪われてしまった。
USポスタルは偉大だ・・・。

ゴール後は昇天寸前・・・。ミニバスの所で座り込んでコーラを飲もうとしたら、アレックスが「このコーラ変な味するから飲まない方がいいかも」と教えてくれたので、近くにいた子供にあげた。
ここの子供達はただ見てるだけで、物乞いは決してしてこなかった。マリはブルキナより裕福なのだろうか?
でもこの方が精神的に楽だ。少し休んで、熊さん、ピエール、アレックスと自走で今日のホテルに向かった。
けれど2キロくらい走った所で力尽きて、後から来たミニバスに収容してもらった。

ホテルの部屋に入って、床に倒れてしばらく放心状態。そしたらシャンタルが来て、「ここは私の部屋だから〜」と追い出された。
そして今日も久保さんと同室になった。
シャワーも浴びる体力も無く、またまた床に転がり放心状態。けれどもう少ししたら昼食を食べに移動するということで、なんとかシャワーを浴びた。
今日はシカッソの競技場でお昼を食べた。
久保さんに「肉は食べるなよ」と言われたけど、もう我慢できず2口だけ食べた。

ホテルに戻り洗濯して休んでたら、久保さんとアレックスとピエールがボニファスに車で観光に連れて行ってもらうということで、一緒に行くことにした。
昨日まではホテルに帰ったら夕飯まで昼寝して、絶対動くことはできなかったから少しはレースに慣れてきたようだ。
街に行ってぶらぶらしてたら、なんと魚屋を発見!
ここで魚を買って寿司にして食べたら、この世のものとは思えないほど下痢るんだろ〜な〜。・・・おそろしい。
久保さんが「ここの掘っ立て小屋に1人で1年間住んだら1億円くれるって言ったら、ど〜する?」と聞いてきた。
僕「う〜ん・・・1億円ならやるかも」
久保さん「マジで〜!!?オレは命の方が大事だ」と盛り上がる。

ピエール達は出店でバナナを買って、1本あげるよと言われたけど、シャンタルはバナナは平気と言っていたが、ハッキリ言ってASOが出してくれる食べ物以外は食べたくないので、断固として拒否。
そうこうしているうちに暗くなってしまった。暗くなるともう何も見えなくなる。ライトが点いてないバイクや車、荷台を引くロバに轢かれないようによ〜く目を凝らして歩く。
しかし突然目の前に人が現れたりしてビビる。暗いとアフリカ人も同化してしまって、全然見えない。
そしでホテルに戻り、夕飯を食べに競技場まで移動。
夕飯はミートソースで、久保さんにソースはかけるなと注意されたけど、平気だ〜い。でも熊さん達は誰もかけていない。トマトを使った物は特に要注意らしい。でも食べた。

辻ちゃんは早くも「こんな所来なければ良かった・・・」と弱気に。。。
明日は今日のコースを丸っきり逆走。アップダウンの厳しいコースになりそうだ。

スイカがたくさん売られている シカッソのホテル 生きてるニワトリがぶら下げられている
自転車屋さん いろんなお店が並んでいる 夕飯はミートソース
                             明日もがんばるぞぉ〜


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